霊能の家系と逃走劇――呪われし血統がサラリーマンをやってみた結果、ただいま絶賛入院中。
「霊能者の家系に生まれた者は、まっとうな社会では暮らしていけない」 祖母から耳にタコができるほど聞かされた言葉だ。この手のおどろおどろしい言説に対し、「またまた、霊感商法の脅し文句でしょ」と笑い飛ばせればどれほど楽だったか。しかし残念ながら、これは代々の先祖たちが血反吐を吐きながら実証してきた、我が家の「元祖・取扱説明書」なのだから質(たち)が悪い。 そもそも「生きられない」と言われる理由は、幽霊が見えてビクビクしているからではない。真の理由は、この体質が持つ「余計なお世話すぎる浄化作用」にある。 この血筋の人間は、歩く空気清浄機みたいなものだ。ただし、フィルター性能が高すぎ……