【ちょっと警鐘】ノロとユタ、神んちゅの違いについて話します。

沖縄の御嶽(うたき)や拝所(ウガンジュ)はパワースポットではないことが多い

ここまではなんとなく、先祖的なルーツや血筋がない方がユタやノロを名乗るのはちょっと違いますよ~というお話をしてきました。
最後にまとめとして、ノロやユタが活躍する聖域についてお話したいと思います。

③沖縄の御嶽って本土の神社のように普通に入っていいの?

スピリチュアルな仕事に従事する方で、特にレイキを扱うヒーラーさんにユタやノロを名乗る方が多いように思います。

冒頭で申し上げましたが、霊能力を生業とする上で肩書をユタやノロとするのは構いませんが、自治体の行政に携わったことのある者としては、きちんと役割や立ち位置を理解していただきたい、というのが本音です。

コロナ前のスピブームには、地域のウガンジュ(拝所や御嶽)がかなり荒らされてる、という声がよく届いていました。
とある自称ユタによって、琉球最高峰と呼ばれる聖域がメディアに取り上げられたまではいいのですが、その聖域をサバイバルゲームとして使った番組が放送されました。

また、インスタ映えするということで観光地に近い拝所が、これまたとあるヒーラーによって紹介され、観光客に踏み荒らされ立ち入り禁止になった御嶽もあります。

いずれにしても悪気はなかったと思いますが、その先のことを想像できなかったのかな、と。
素晴らしい場所だからたくさんの人に知ってもらいたい、そんな純粋な気持ちがあったことは理解できますが、心の奥底には別の思惑を感じえずにはいられない言動も見受けられました。

聖域は里の人にとっては生活の一部でありよりどころでもあります。
本土の神社で奥宮に気軽に入れないように、聖域がご神体そのものです。

美しい海に囲まれた沖縄ですので、拝所周辺には絶景が広がっていることが多いです。
本来御嶽や拝所は神事の時のみ訪れる場所であり、ピクニック気分で行くのはどうかな、と思います。
SNSなどに写真を上げる際にはどうぞ配慮をお願い致します。

確かに神々(アニミズム)は等しく誰にでも門戸を開いていますが、まるでスタンプラリー感覚で来てほしくない、という地元の声も聞かれます。
SNSには今でも、コンプリートを目標にでもしているの?というような、自身のブレーンを引き連れて写真をあげているヒーラーも見かけます。

聖域をネットで紹介する、それ自体は問題はなくとも、ユタやノロを名乗るのであればきちんとその役割と立ち位置を考えて、取り組んでいただきたいと思います。

コロナで観光業が大打撃を受けた沖縄ですが、人の移動が制限されたおかげで里の御嶽は穏やかな日常を取り戻しています。
お堂を修復したり荒らされた神域の草木を植え直したり、ようやくあるべき姿を取り戻しています。
そうした地域の方々の努力や想いを無にしないよう、参拝の際はどうぞ宜しくお願い致します。

・同じ霊能者でも「ユタ」は民間霊媒師、「ノロ」は公的な神事を司る巫女
・ノロは「世襲制」、ユタは巫病を経て成ることが多いが、どちらも血筋や家系が重要
・神んちゅは立ち位置が異なり、参拝するノロやユタを迎える側

若干脱線した感はいなめませんが、沖縄のユタとノロの違いについてご理解いただけましたでしょうか。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。

合掌

この記事を書いた人 Wrote this article

久遠迪知

久遠迪知

スピリチュアルアウェイクナー/WEBライター/ココナラチャット占い「プラチナランク」(2024年7月1日現在)。水面下で沖縄のスピリチュアル界をけん引してきた人物。全国で出張セッションを展開しながら、27年のリーディング実績を持つ。2015年より惜しまれながら段階的に休業に入る。ステージⅣのがん治療を乗り越え、2021年12月ココナラチャット占いで復活を果たした。私生活は気ままなノマドライフ/マルチハビテーション(3拠点生活)。まさに“閑雲野鶴”の通り沖縄ライフを楽しんでいる。(文・よのしなが@)